みなさん、こんにちは。
アメリカ・ニュージャージー(NJ)州で、2度目の駐妻ライフを送っているHatsy(はっちぃ)です。
👉こちらで自己紹介とサイトの使い方の説明をさせていただいてます。もしよろしければご覧ください。
日本で持ち家に住んでいるみなさん!海外駐在が決まったら、まず最初に、その持ち家をどうしようか迷いますよね?
今回は、
- 日本の持ち家を「売却」するメリット・デメリット
- 売却手続きの流れ(業者選び、各媒介契約の種類、内見のポイント、売買契約など)
- 税金について(譲渡所得税、+アメリカでも確定申告が必要)
をご紹介します。
持ち家を売却することは、人生に何度もある事ではないですし、動くお金も大きいので、不安も多いと思います。この記事で、少しでも不安を解消してもらえると嬉しいです。
私は、郊外に一軒家を所有していますが、
・1度目の駐在では「空き家管理」を委託し、
・2度目の駐在では「売却」と「賃貸」に広告を出し、最終的には「賃貸」に決めました。
すべてのパターンを経験している私が、それぞれのメリット・デメリット、各手続きの流れをご紹介します。
👉日本の持ち家をどうしようか迷っている方は、こちらの記事をご覧ください。
👉アメリカ赴任前やることリストは、こちらの記事をご覧ください。
持ち家を売却する
駐在期間が2,3年以上であり、
帰国後に持ち家に戻る気がない
場合は、持ち家を売却される方が多いかと思います。
売却のメリット・デメリット
売却のメリットとしては、
・まとまったお金(売却代金)が入る
・固定資産税や管理費がかからない
・賃貸とは違い、毎年の家賃収入に対する確定申告が不要(譲渡所得があったら、翌年の確定申告は必要)
が挙げられます。
デメリットとしては、
・帰国後、新たに家を探さないといけない
が挙げられます。
私自身も、今回の2度目の駐在に来る前に、持ち家を売却しようと思い、不動産売買仲介業者と契約しました。以下では、実際の手続きの流れをご紹介します。
不動産売買仲介業者を選ぶ
まず、不動産仲介業者を選びます。
無料のオンライン一括査定
無料のオンライン一括査定に申し込みます。その際、あらかじめ仲介業者を何社か選択します。
特にこだわりがないのであれば、大手であれば支店が自宅の近くにある業者、地元密着型の業者、一軒家なら一軒家を多く取り扱っている業者など、いろんなタイプの業者をミックスして選択すると良いかなと思いました。
私の場合、郊外の一軒家だったので、購入希望がばんばん来るような物件ではありませんでした。
なので、最初は地域密着型の業者にお願いしていましたが、2か月経っても反響がなかったので、後から全国展開しているような大手の業者にもお願いしました。(最初から大手にもお願いしていれば良かったかなと思います。)
査定の結果をメールで教えてくれる業者や、訪問してから結果を教えますという業者など、対応は様々でした。
また、この後の業者との打ち合わせの前に、住宅ローンがいくら残っているのか確認し、SUUMOなどで近隣の不動産価格の相場を調査しておきましょう。自宅の間取りが分かる書面なども準備しておきましょう。
仲介業者と打ち合わせ、媒介契約
仲介業者に自宅を訪問してもらい、内見と打ち合わせをします。
ここの会社にお願いしたいと思ったら、売却価格を決め、媒介契約(不動産売買の仲介を依頼する契約)を結びます。不動産が共有であれば、共有者それぞれが契約当事者となります。
媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。(参照→小田急の仲介:媒介契約とは?)
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
他社との同時契約 | 可 | 一社のみ | 一社のみ |
自分で買主を見つけることができるか? | 〇 | 〇 | × |
レインズへの登録義務 | なし (ただし、一般的に任意で登録してくれます。) | 7日以内 | 5日以内 |
報告義務 | なし (ただし、一般的に任意で報告してくれます。) | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
契約期間 | なし (ただし、一般的に3か月。) | 3か月以内 | 3か月以内 |
契約解約 | いつでも可 (電話でもOK) | 契約期間内の解約は、違約金が発生する可能性あり | 契約期間内の解約は、違約金が発生する可能性あり |
レインズとは、全国の売却物件が登録されている不動産情報システムです。
「Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)」の頭文字を取って「REINS」と呼ばれています。
運営は、全国に4つある、国土交通大臣に任命された不動産流通機構が行っています。
物件の外観や内装、図面など細かい情報まで記載されていますが、不動産業者のみが利用でき、一般人には公開されていません。
業者がレインズに登録したら、その旨の連絡が来ます。しばらくしても業者から連絡がなければ、問い合わせましょう。
業者としては、他の会社にお客を取られたくないので、専任媒介を勧めてくることが多いです。
専任媒介だと業者も一生懸命動いてくれるというメリットがあるらしいので、信頼できる業者があるのであれば、専任媒介でも良いと思います。
私の場合、1社に決められなかったので、一般媒介にしました。一般媒介であっても、何社も頼むとそれぞれのか業者とのやり取りが大変なので、3~4社くらいが妥当かなと思います。
媒介契約を結ぶ前に、
- 広告方法:どのサイト(SUUMOやホームズなど)に掲載してくれるか?ビラをポストに入れてくれるか?など。
- 一般媒介であっても、何週間毎に報告をしてくれるか?(2週間に1回のところが多い。)、レインズに掲載してくれるか?
- 媒介契約の解約条件
- 海外赴任後に売却が成立した場合にも、対応してくれるか?
- 仲介手数料(基本的に3%)の値下げ交渉ができるか?
など、業者から詳細に話を聞きます。そこで各社の違いがでてきます。
担当者との相性も大事なので、媒介契約を結ぶ前に色々と話を聞いてみることが大切だと思いました。
私はド素人だったので、恥を捨てて分からないことは逐一質問していましたが、それに誠実に応えてくれる業者を選びました。
また、私は自宅への思い入れが強かったので、そういう気持ちを理解してくれる業者を選びました。
ただ、反響がないと意味がないので、「もう少し価格を下げた方が良いのでは」と現実的なアドバイスをくれる業者も必要だと思いました。
この段階では、費用はかかりません。仲介手数料を支払うのは、自宅が売れた後です。(つまり、売れなかったら手数料は発生しません。)
広告サイトに載せる写真
SUUMOやホームズなどの広告サイトに載せる写真については、後日写真を撮りに来てくれる業者、私が撮った写真を載せてくれる業者など、対応が様々です。費用は業者持ちです。
広告サイトに載せる写真は、めちゃくちゃ大事です!!天気の良い日を選び、しっかりと片付け、家具以外の物はなるべく映り込まないようにしましょう。
築4年の都内の一軒家を賃貸に出しました。売却と同じで、賃貸の広告サイトの写真もとても大事なので、納得がいくように自分で撮りました。
何もない室内も味気ないので、家具や観葉植物を入れ、モデルルームのようにして写真を撮りました。
建物検査
仲介業者によっては、事前に建物検査(インスペクション)をするところもあります。私の場合、4社中1社が検査をしました。費用は業者持ちです。
検査項目は、外壁、屋根、バルコニー、屋根裏点検口、床下点検口、水回り、壁紙、床が水平かどうかなどでした。
写真も結構撮るので、撮られたくないものは事前に片付けておくこと、キッチンやお風呂の排水溝、トイレなどは掃除しておくことが必要です。
内見希望者による内見
内見希望があったら、業者から連絡が来るので、日時の打ち合わせをします。
内見に備えて、以下の点に注意して、掃除をしましょう。
- 玄関やリビングなどは、ドアを開けてパッと目に入る場所を重点的に綺麗に。
- 生活感をなくす。(壁のカレンダー、冷蔵庫に貼ってある子供のお便りなどは外す。)
- 水回りは特に綺麗に。鏡も磨く。
- 可能な限り、クローゼットの中も全部見せる。(ごちゃごちゃした物は布で隠す。)
- 庭やバルコニーの手入れも忘れずに。
- 見られたくない物は、一時的に車へ避難。
内見当日は、業者に、「あまり前のめりになって売り込みすぎないように。内見希望者から質問がきたら答える程度でお願いします。」と言われました。(私がお喋り好きだから、売り込みすぎると相手に引かれると思われただけかもしれませんが…笑)
ただ、実際に内見者からされた質問としては、➀ご近所さんはどんな感じですか?、➁町内会はどんな感じですか?くらいだったので、家の機能など(食洗器や浄水器が付いている、日当たりが良いなど)、ある程度はこちらから説明した方が良いと思いました。
また、後で問題にならないように、持ち家の良い部分だけでなく、悪い部分も聞かれたら隠さずきちんと話すようにしましょう。
売却時に買主に譲渡できる物があるのであれば、事前にリストなどを作っておき、内見の日に伝えられるようにしておくと良いと思います。
郊外の駅近のマンションを売却した際、家具や家電も、買主に譲渡しました。
冷蔵庫や洗濯機は、帰国後に住む家にサイズが合わない可能性もあるし、数年後はもっと機能の良い製品が出てくることもあるので、トランクルームに入れず、渡米前に処分するのも選択肢の一つだと思います。
住宅ローン完済後の抵当権抹消登記
持ち家を売却する際、住宅ローンなどの抵当権が付いている場合、家の引き渡しまでに法務局での抵当権抹消登記手続きが必要になります。
「不動産の引渡しまでに抵当権を抹消する」ことを明確にした上で売買契約を結び、売却代金で住宅ローンを完済した後に、抵当権抹消登記と所有権移転登記を同時にする場合が多いかと思います。
私の場合、持ち家の売却前に住宅ローンを完済したので、自分で抵当権抹消登記の手続きをしました。少しでも費用を抑えるため、ご自身で手続きをしようと考えてる方がいれば、以下の記事を参考にしてみてください。
👉抵当権抹消登記については、こちらの記事をご覧ください。
買主と不動産売買契約
渡米までに購入希望者が現れたら、売買契約を結びます。(私は実際にこれ以降の手続きを経験していないので、ここでは大まかな概要をご説明します。)
私は、売却と並行して、賃貸にも出していましたが、ちょうど賃貸の方で希望者が見つかったので、賃貸借契約を結ぶことにしました。
それに伴い、一般媒介契約を結んでいた売買の仲介業者には、電話やメールで媒介契約を解約することを伝えました。
👉賃貸については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
不動産売買契約、引き渡し
- 不動産売買契約書、重要事項説明書(契約内容/契約不適合責任/付帯設備/一軒家の場合、境界の確認など。)
- 契約時に必要なもの(登記関係書類/住民票/実印&3か月以内の印鑑証明/収入印紙/買主に譲渡できる物のリストなど。)
- 売却代金は、契約時に買主から手付金を受け取り、引き渡し時に残りの支払いを受けるのが一般的。
- 引き渡し時に、売主の抵当権抹消登記、売主から買主への所有権移転登記、諸費用の精算、仲介業者へ仲介手数料の支払いなどを行います。
※各業者によって、手続きの流れや必要書類などは多少異なると思うので、詳細はご自身でご確認ください。(参照→SUUMO:不動産売買契約の流れと注意点)
売れないまま渡米するか、仲介業者に売ってしまうか
渡米までに、購入希望者が見つからない場合、➀このまま渡米するのか、➁渡米までに仲介業者へ売ってしまう(=業者による買取)か、考えることになります。
➀持ち家が売れないまま渡米し、非居住者(日本に住所がないor1年以上日本にいない)となってから持ち家が売れた場合 | ・委任状(売買契約を委任する) ・大使館・領事館で発行される在留証明書・サイン証明 が別途必要。 |
➁仲介業者へ売却する場合 | 売却価格は相場の2~3割減になる。 |
税金など
譲渡所得税の確定申告
不動産を売却して利益があった場合、譲渡所得となり、譲渡所得税が課税されます。渡米して非居住者になった場合も同じです。国税庁:海外勤務中に不動産を売却した場合
『譲渡所得=売却価格-(取得費用+譲渡費用)』(国税庁:譲渡所得の計算のしかた)で計算し、さらに控除を差し引いて、それでもプラスになった場合、所得が発生した翌年に、日本で確定申告が必要です。
住宅の売却による譲渡所得には、様々な控除(3000万円控除など)や軽減税率(長期譲渡所得など)の制度があり、確定申告が要らなくなったり、納税額が少なくなる場合もあります。
ご自身のケースではどの制度を適用できるのか、あらかじめ調べておきましょう。
所得税・消費税の納税管理人
自分で確定申告ができない場合、日本に住む家族や専門家などを納税管理人に指定し、納税手続きをしてもらいます。
所得税・消費税の納税管理人の届出書を、納税地(日本に住所がない場合、不動産所在地)を管轄する税務署へ提出する必要があります。国税庁:海外勤務と納税管理人の選任
アメリカでも申告が必要です。
日本で所得がある場合、アメリカでも申告が必要なので、資料をアメリカへ持参することも忘れずに。
二重課税を防ぐために、アメリカ国外で納付した所得税は、外国税額控除を申請することが出来ます。詳細は、勤め先の担当者に確認しましょう。
まとめ
今回は、
- 日本の持ち家を「売却」するメリット・デメリット
- 売却手続きの流れ(業者選び、各媒介契約の種類、内見のポイント、売買契約など)
- 税金について(譲渡所得税、+アメリカでも確定申告が必要)
をまとめました。
私個人の意見としては、駐在期間が2、3年以上で、持ち家を所有しておきたいという何か特別な理由がないのであれば、売却するのが良いと思います。
特に、買った時より高く売れそうなときは、確実にそう思います。
帰国後の家探しは確かに大変ですが一時の事ですし、転職したり、家族が増えたりする可能性もあり、数年後に必ず同じ家に住むとは限りません。
また、賃貸や空き家管理だと税金もかかりますし、何か問題があった時に対処が必要ですので、すっきりして渡米されたい方は、売れるときに売っておくというのがベストだと思います。
私も2度目の駐在に来る前に、本当は家を売却したかったのですが、我が家は郊外の一軒家で、しかも駅から少し歩かないといけないので、価格をかなり下げる必要がありました。
結局、折り合いが付かず、渡米前に売買契約締結までいかなかったので、賃貸にすることにしました。
この記事が、少しでもみなさんのお役に立てたら嬉しいなと思います。
👉アメリカ赴任前やることリストは、こちらの記事をご覧ください。
👉日本の持ち家をどうしようか迷っている方は、こちらの記事をご覧ください。
👉賃貸については、こちらの記事をご覧ください。
👉空き家管理については、こちらの記事をご覧ください。
👉アメリカ生活で欠かせないアプリ、スマホSIM、VPN、オンライン英会話については、こちらの記事がおすすめ!