みなさん、こんにちは。
アメリカ・ニュージャージー(NJ)州で、2度目の駐妻ライフを送っているHatsy(はっちぃ)です。
👉こちらで自己紹介とサイトの使い方の説明をさせていただいてます。もしよろしければご覧ください。
日本で持ち家に住んでいるみなさん!
海外駐在が決まったら、まず最初に、その持ち家をどうしようか迷いますよね?
今回は、【海外赴任準備ガイド➀】『アメリカ赴任前やることリスト』のうちの1項目、「日本の持ち家をどうするか?」について、
- 海外駐在が決まった時、日本の持ち家の取り扱いとして、どんな方法があるの?
- 「売却」、「賃貸」、「空き家管理」、各手続きのメリット・デメリット
- 各手続きの流れ、税金について
などをまとめました。
持ち家をどうするかは、手続きに時間もかかりますし、動くお金も大きいので、不安も多いと思います。この記事で、少しでも不安を解消してもらえると嬉しいです。
私は、日本で一軒家を所有していますが、
・1度目の駐在では「空き家管理」を委託し、
・2度目の駐在では「売却」と「賃貸」に広告を出し、最終的には「賃貸」に決めました。
すべてのパターンを経験している私が、それぞれのメリット・デメリット、各手続きの流れをご紹介します。
👉【海外赴任準備ガイド➀】『アメリカ赴任前やることリスト』は、こちらの記事をご覧ください。
アメリカ駐在の内示~渡米後半年までの流れ
アメリカ駐在の内示が出てから渡米後半年までの流れは、以下のとおりです。(流れは、あくまでも目安です。)
1,駐在が決まったら、まずやること
➀日本の持ち家をどうするか?(👈今回の記事はここ)
➂歯の治療
➃健康診断、人間ドック
⑤パスポートの作成・確認
⑥引越し業者の予約
⑦夫の飛行機の予約、短期滞在先の予約
⑧英語学習
2,渡米2か月前
➀国際免許証
➂アメリカの家探し、学校の調査
➃日本で買うべきもの、買わなくてもよいもの、やっておくべきこと
⑤引越し業者の下見、荷物の仕分け
⑥銀行や保険、クレカについて
⑦各種契約の解約方法を調べる
⑧帯同者の勤め先、子供の学校へ連絡
3,渡米1か月前
➀夫が先に渡米
➁アメリカの家の内見
➂家族の飛行機の予約、引越し日の予約
➃車の売却、自動車保険の中断証明
⑤日通のらくとくパック
4,渡米直前
➀市役所での手続き
➁税務署での手続き
➂各種契約の解約
➃郵便局へ転送届
⑤近所や友達に挨拶回り
⑥アメリカへ持っていく手土産
⑦船便と航空便をすべて搬出、手荷物の整理
5,日本出国
➀空港で宅急便の受取り
➁チェックイン、預け荷物を預ける
➂出国手続き
➃飛行機搭乗
1,夫が1か月先にアメリカ入国
➀アメリカのスマホ契約
➁アメリカの家探し、賃貸借契約
➂アメリカの家での各種契約
➃在留届
⑤夫のSSN、運転免許
⑥車の購入
2,家族のアメリカ入国
➀入国審査
➁預け荷物の受取り
➂税関検査
➃リモで自宅へ
3,渡米後1か月以内
➀NY領事館で、英文の婚姻証明書取得
➁帯同者のSSN申請
➂ファミリードクターを探す
➃子供の保育園、学校
⑤家具購入
4,渡米後2か月以内
➀帯同者の運転免許
➁英語学習
5,渡米後3か月以降
➀便利なアプリを入れてみる
➁VPNで、日本のテレビを見る
➂近場の旅行に行ってみる
6,渡米後半年以降
➀アメリカのクレジットカードを作る
➁長期旅行に行ってみる
今回の記事では、【海外赴任準備ガイド➀】『アメリカ赴任前やることリスト』(内示~日本出国)(黄色い部分)の中の『日本の持ち家をどうするか?』について、まとめました。
では、順番に見ていきましょう。
海外駐在が決定。日本の持ち家をどうするか…
海外駐在が決まり、今住んでいる家が賃貸であれば良いのですが、持ち家の場合、家をどうするかを考えなければいけません。
方法としては、
➀売却
➁賃貸(通常の賃貸 or リロケーション※期間限定で貸す)
➂空き家管理
があります。
しかし、駐在期間、家の立地、家の状態、家族構成など、人によって状況は様々なので、一概に「これが良い!」という答えがないのが、また悩ましいところです。
ざっくりとした考え方としては、
・駐在期間が2,3年以上 → 売却か通常の賃貸
・駐在期間が1,2年未満/自宅に愛着があり、帰国後も住む予定 → リロケーションか空き家管理
という事が言えるかなと思います。
また、駐在員の勤め先によっては、賃貸しかダメ、管理費用を補助してくれるなど、取り決めがある場合があるので、まずは勤め先に確認しましょう。
➀売却
駐在期間が2,3年以上であり、
帰国後に持ち家に戻る気がない
場合は、持ち家を売却される方が多いかと思います。
👉持ち家の売却の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
売却のメリット・デメリット
売却のメリットとしては、
・まとまったお金(売却代金)が入る
・固定資産税や管理費がかからない
・賃貸とは違い、毎年の家賃収入に対する確定申告が不要(譲渡所得があったら、翌年の確定申告は必要)
が挙げられます。
デメリットとしては、
・帰国後、新たに家を探さないといけない
が挙げられます。
私自身も、今回の2度目の駐在に来る前に、持ち家を売却しようと思い、不動産売買仲介業者と契約しました。以下では、実際の手続きの大まかな流れをご紹介します。
不動産売買仲介業者を選ぶ
無料のオンライン一括査定
まず、無料のオンライン一括査定に申し込みます。その際、あらかじめ仲介業者を何社か選択します。
仲介業者と打ち合わせ、媒介契約
仲介業者に自宅を訪問してもらい、内見と打ち合わせをし、媒介契約(不動産売買の仲介を依頼する契約)を結びます。媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。
👉3つの媒介契約の違いについては、こちらで詳しく解説しています。
サイトに載せる写真については、後日写真を撮りに来てくれる業者、私が撮った写真を載せてくれる業者など、対応が様々です。費用は業者持ちです。
サイトに載せる写真は、めちゃくちゃ大事です!!天気の良い日を選び、しっかりと片付け、家具以外の物はなるべく映り込まないようにしましょう。
建物検査
仲介業者によっては、事前に建物検査(インスペクション)をするところもあります。私の場合、4社中1社が検査をしました。費用は業者持ちです。
内見希望者の内見
内見希望があったら、業者から連絡が来るので、日時の打ち合わせをします。
内見に備えて、しっかりと掃除をしましょう。
👉内見時の注意点については、こちらの記事をご覧ください。
住宅ローン完済後の抵当権抹消登記
持ち家を売却する際、住宅ローンなどの抵当権が付いている場合、家の引き渡しまでに法務局での抵当権抹消登記手続きが必要になります。
「不動産の引渡しまでに抵当権を抹消する」ことを明確にした上で売買契約を結び、売却代金で住宅ローンを完済した後に、抵当権抹消登記と所有権移転登記を同時にする場合が多いかと思います。
👉抵当権抹消登記については、こちらの記事をご覧ください。
買主と不動産売買契約
渡米までに購入希望者が現れたら、売買契約を結びます。
私は、売却と並行して、賃貸にも出していましたが、ちょうど賃貸の方で希望者が見つかったので、賃貸借契約を結ぶことにしました。
それに伴い、一般媒介契約を結んでいた売買の仲介業者には、電話やメールで媒介契約を解約することを伝えました。
不動産売買契約、引き渡し
売買契約に必要な書類等を事前に準備し、不動産売買契約書、重要事項説明書の内容を確認し、契約を結びます。
不動産の引渡し時に、売主の抵当権抹消登記、売主から買主への所有権移転登記、諸費用の精算、仲介業者へ仲介手数料の支払いなどを行います。
※各業者によって、手続きの流れや必要書類などは多少異なると思うので、詳細はご自身でご確認ください。(参照→SUUMO:不動産売買契約の流れと注意点)
売れないまま渡米するか、仲介業者に売ってしまうか
渡米までに、購入希望者が見つからない場合、➀このまま渡米するのか、➁渡米までに仲介業者へ売ってしまう(=業者による買取)か、考えることになります。
➀持ち家が売れないまま渡米し、非居住者(日本に住所がないor1年以上日本にいない)となってから持ち家が売れた場合 | ・委任状(売買契約を委任する) ・大使館・領事館で発行される在留証明書・サイン証明 が別途必要。 |
➁仲介業者へ売却する場合 | 売却価格は相場の2~3割減になる。 |
税金など
譲渡所得税 | 『譲渡所得=売却価格-(取得費用+譲渡費用)』で計算し、さらに控除を差し引いて、それでもプラスになった場合。 → 所得が発生した翌年に、日本で確定申告が必要。(+アメリカでも確定申告が必要。) ※自分で確定申告ができない場合、税務署へ、所得税・消費税の納税管理人の届出が必要。 |
➁賃貸(通常の賃貸、リロケーション)
駐在期間が2,3年以上で、
いずれまた同じ持ち家に住むかもしれないなどの理由で自分の名義のままにしておきたい、
さらに都心の駅近マンションなど人気のエリアである
場合、持ち家を賃貸に出される方が多いと思います。
👉持ち家の賃貸の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
賃貸のメリット・デメリット
賃貸のメリットとしては、
・家賃収入がある
・持ち家を自分の名義のままにしておける
・人が住んでいるので、劣化や空き巣被害の恐れがない
が挙げられます。
デメリットとしては、
・毎年不動産所得の確定申告が必要(借主が個人の場合)
・固定資産税・管理費・家の修繕費などの支出がある
・入居者が住んでいる限り自分は住めないので、帰国後新たに家を探す必要がある
が挙げられます。
ただし、定期借家契約を結ぶリロケーションでは、期間限定で持ち家を貸し出すので、帰国後にも住むことができます。
ただ、この場合、家賃は通常(普通借家契約)の1~3割減に設定しないと借り手が付かないのがデメリットです。
管理会社を選ぶ
まず、賃貸の管理会社を選びます。海外オーナー専門の管理会社もあります。
勤め先で、賃貸管理会社の指定がある場合もあるので、管理会社の指定があるか、管理費は出してくれるかを、まず確認しましょう。
住宅ローンが残っている持ち家を賃貸に出す場合、融資している金融機関へ届出が必要です。
無料のオンラインプラン一括請求
まず、無料のオンラインプラン一括請求に申し込みます。
管理会社と打ち合わせ、管理委託契約
管理会社に自宅を訪問してもらい、内見と打ち合わせをします。管理業務の内容や賃貸借契約の内容を決め、管理委託契約を結びます。
賃貸借契約の内容で、何を家の「設備」とするかは重要です。「設備」についての費用は貸主負担です。
👉管理会社の選び方や契約内容については、こちらの記事をご覧ください。
内見希望者の内見
内見希望があったら、業者から連絡が来るので、日時の打ち合わせをします。
内見に備えて、しっかりと掃除をしましょう。
👉内見時の注意点については、こちらの記事をご覧ください。
大切な持ち家に住んでもらう人を決める借主選びはとても大事です。
入居希望者の情報が書かれた書類をしっかりと確認(家族構成、資力があるか?など)し、疑問があったら管理会社に問い合わせましょう。
借主と賃貸借契約
賃貸借契約書などに問題がなければ、借主と賃貸借契約を結びます。
管理会社の管理業務の内容
賃貸借契約を結び、引越しも終われば、あとは管理会社に管理をお任せするだけです。
管理業務としては、家賃や管理費の明細書を毎月メールで送ってくれる、修理の必要があれば業者を手配してくれるなどです。
※各管理会社によって、管理業務の内容は異なると思うので、詳細はご自身でご確認ください。
税金など
固定資産税・都市計画税 | 銀行口座振替に設定。市町村役場へ、固定資産税等の納税管理人の申請。 |
不動産所得税 | 『不動産所得=年間の総収入額-必要経費-48万円(基礎控除)』で計算し、さらにほかの控除を差し引いて、20万円以上となった場合。 → 所得が発生した翌年に、日本で確定申告が必要。(+アメリカでも確定申告が必要。) ※自分で確定申告ができない場合、税務署へ、所得税・消費税の納税管理人の届出が必要。 ※ただし、借主が法人の場合や個人でも居住用以外として使う場合は、賃料に対して20.42%の源泉徴収が課されるので、確定申告をすることで、源泉徴収された金額から不動産所得税を差し引いた分が還付される。(還付請求権は5年で時効消滅。) |
👉賃貸の際の税金についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
➂空き家管理
帰国後同じ持ち家に住む予定で、
持ち家を買ったばかりor建てたばかりで、他の人に使われたくない
場合、自宅を売却にも賃貸にも出さず、空き家にしておくという選択肢があります。
空き家にしておく場合でも、家が傷まないように、定期的に通風や掃除をしないといけません。家族が近くに住んでいる場合は家族に頼めるかもしれませんが、そうでない場合は、業者に空き家管理を依頼します。
👉空き家管理の詳細については、こちらの記事をご覧ください。
空き家管理のメリット・デメリット
空き家管理のメリットとしては、
・帰国後また持ち家に住める
・賃貸と違い、家が傷つくことはない
が挙げられます。
デメリットとしては、
・家賃収入がない
・管理費や水道代の支出がある
・人が住んでいないので、劣化や空き巣被害の恐れがある
が挙げられます。
私は、1回目の駐在では、家を建ててまだ日も浅く、帰国後またその家に住む予定だった事、実家が遠くて空き家管理を頼める人がいなかった事から、空き家管理を委託しました。
以下では、実際の手続きの大まかな流れをご紹介します。
空き家管理会社を選ぶ
管理内容や費用を検討して、空き家管理会社を選びます。
勤め先で、管理会社の指定がある場合もあるので、管理会社の指定があるか、管理費は出してくれるかを、まず確認しましょう。
管理内容を確認し、契約
管理会社と管理内容や管理費を確認し、管理委託契約を結びます。
👉空き家管理の管理内容や準備しておくべきものなどの詳細は、こちらの記事をご覧ください。
実際に管理してくれる担当者と打ち合わせ
契約の担当者と実際に今後管理をしてもらうスタッフに、家を訪問してもらいます。
ドアや窓の鍵の開閉方法、水道の栓の場所、こちらが準備したものや気をつけて欲しい事などを説明します。
最後に、合鍵を渡します。
管理報告
管理報告は、月1回、メールで来ました。
税金など
固定資産税・都市計画税 | 銀行口座振替に設定。市町村役場へ、固定資産税等の納税管理人の申請。 |
水道料金 | 通水してもらうために、水道の契約は維持。銀行口座振替に設定。 |
お友達にも聞いてみました。
海外駐在が決まった時、持ち家をどうしたのか、お友達にも聞いてみましたよ。
都内の一軒家を賃貸に出しました。
築4年の都内の一軒家を賃貸に出しました。期間限定ではない普通借家契約にしました。帰国後の確定申告は、なかなか大変でした…。
・管理会社:管理会社は5社から募集をかけてもらい、1か月以内と一番早く借主を見つけてくれたリロケーション・ジャパンにお願いしました。
海外オーナーに強いので安心感はありましたが、管理費が家賃の10%と高めです。
・広告に載せる写真:納得のいく写真を載せたかったので、自分で撮りました。家具や観葉植物を入れて撮るのがコツです。
・賃貸借契約:渡米まで2か月しかなかったのですが、渡米前に借主を決めたかったので、家賃は相場より2万円下げて出しました。
エアコンや照明器具は、修理費用が貸主負担となる「設備」にはせず、「譲渡」にしました。賃貸期間の4年間で、床暖、水道管、トイレなどの設備の故障で20万円以上かかったので、この点は大事です。
・帰国後の確定申告:借主が法人だったので、不動産所得から源泉徴収されていました。帰国後に3年分まとめて還付請求の確定申告をしました。
税務署の方は申請書の書き方を丁寧に教えてくれましたが、減価償却や固定資産税を経費に計上していなかったことが後に判明…。「経費」は自分でしっかりと計上しましょう!!
駅近のマンションを売却しました。
築11年の郊外の駅近のマンションを売却しました。買った時より高く売れそうだった事、帰国後も社宅に住むことができる事から、売却に決めました。
・仲介業者:三井のリハウスにお願いしました。大手なので、しっかりした対応でした。
・家財道具:家具や家電は、買主に譲り渡しました。
冷蔵庫や洗濯機は、帰国後に住む家にサイズが合わない可能性もありますし、数年後はもっと機能の良い製品が出てくることもあるので、トランクルームに入れず、渡米前に処分するのも選択肢の一つだと思います。
まとめ
今回は、【海外赴任準備ガイド➀】『アメリカ赴任前やることリスト』のうちの1項目、「日本の持ち家をどうするか?」について、
- 海外駐在が決まった時、日本の持ち家の取り扱いとして、どんな方法があるの?
- 「売却」、「賃貸」、「空き家管理」、各手続きのメリット・デメリット
- 各手続きの流れ、税金について
をまとめました。
持ち家をどうするかは、手続きの時間もかかりますし、動くお金も大きいので、海外駐在が決まったら、まず最初に検討を始めたいことです。
不動産業者や管理会社は、普段あまりかかわることがない業種なので、どのように選んだらよいか、とても不安だと思います。
私自身も結局どの選択が正解だったのか、どの不動産業者がベストだったのかはいまだに分かりませんが、とりあえず私やお友達の経験をみなさんにシェアできたらと思い、今回こちらの記事を書きました。
この記事によって、みなさんの不安を少しでも解消できたら嬉しいなと思います。
※この記事では3つの手続きの比較をメインにしたかったので、各手続きは大まかに書きました。各手続きの詳細や気をつけることなどをより詳しく知りたい方は、以下の各記事をご覧ください。
👉アメリカ赴任前やることリストは、こちらの記事をご覧ください。
👉アメリカ生活で欠かせないアプリ、スマホSIM、VPN、オンライン英会話については、こちらの記事がおすすめ!